平均STとは
STはスタートタイミングのことで、 スタートラインをどれだけ遅れて通過したかを秒で表します。 平均STは、その選手のSTを平均したものです。 ここでは選手ごとにどれくらい開きがあるかと、 その数字がどこまで使えるかを5年分の実測で出します。
これは何か
競艇のスタートは時計式です。 決められた時間内にスタートラインを通過すればよく、 0.00秒ちょうどが最速です。 0.15なら、規定より0.15秒遅れて通過した、という意味です。
早すぎるとフライング(F)になります。 Fになると、そのSTは記録されますが、走そのものは失格です。 このページの平均STは完走した走だけから出しています。
「平均ST」と「STのばらつき」は別の数字です。 平均STはどれくらい速いか、 ばらつきは毎回どれくらい揃っているかです。 このページで扱うのは平均のほうです。
5年分の実測ではどうなっているか
100走以上ある 1,767人の平均STは、 0.1075秒 から 0.2685秒まで開いていました (中央は 0.1665秒)。
① 平均STで4等分すると
| 四分位 | 人数 | 平均ST | 1着率 | 全国勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 第1(速い側) | 442人 | 0.1416 | 23.37% | 6.048 |
| 第2 | 442人 | 0.1604 | 16.52% | 5.181 |
| 第3 | 442人 | 0.1730 | 12.06% | 4.551 |
| 第4(遅い側) | 441人 | 0.1941 | 7.25% | 3.649 |
STが速い側ほど1着率も全国勝率も高くなっています。 ですが、これは「STが速いから強い」を意味しません。 下の②を見てください。
② 勝率とどれくらい重なっているか
| 全国勝率との相関 | 説明できる割合 | |
|---|---|---|
| 平均ST | -0.679 | 46% |
| (参考)STのばらつき | -0.787 | 62% |
平均STの違いの 46% は、勝率で説明がつきます。 「STが速い選手」の話をしているつもりで、その半分近くは 「強い選手」の話をしていることになります。
③ それでも、級の中では残ります
| 級別 | 人数 | 平均ST | 平均STと1着率の相関 |
|---|---|---|---|
| A1 | 551人 | 0.1499 | -0.464 |
| A2 | 837人 | 0.1595 | -0.454 |
| B1 | 1,231人 | 0.1704 | -0.504 |
| B2 | 429人 | 0.1848 | -0.562 |
級別を固定しても、4級すべてで関係が残っています。 完全な言い換えなら、級で揃えたときに消えるはずです。 消えていないので、平均STは勝率とは別の情報も持っています。
④ ★その日のゆらぎのほうが大きい
| ばらつき(秒) | |
|---|---|
| 1人の選手の中(同じ選手の走ごと) | 0.0713 |
| 選手どうし(平均STの開き) | 0.0208 |
その日のゆらぎが、選手の差の約3.4倍あります。 「この選手は平均STが速いから、今日も速い」とは言えません。
集計: race_entries(2021-08-26〜2026-08-25) / 完走した走のST。100走以上の選手のみ。四分位は選手を平均STで4等分。級別は選手×級別の単位。 母数 100走以上の 1,767人・2026-08-26時点。
★「STが速い=強い」とは書けません
平均STと勝率は、かなりの部分が重なっています。 実測では平均STと全国勝率の相関が −0.679で、 平均STの違いの約46%は、勝率で説明がつきます。
つまり「STが速い選手」の話をしているつもりで、 その半分近くは「強い選手」の話をしていることになります。 だから当サイトは「STが速いから強い」とは書きません。
ただし、全部が重なっているわけではありません。 級別を固定しても、平均STと1着率の関係は4級すべてで残りました(上の表)。 もし完全な言い換えなら、級で揃えたときに消えるはずです。 消えていないので、平均STは勝率とは別の情報も持っています。
どこまでが「別の情報」かは測っていません。 「46%が重なっている / 級の中では残る」までが、実測で言えることです。
★★平均STは、次のレースのSTではありません
同じ選手でも、STは毎回大きく動きます。 1人の選手の中でのばらつきは 0.0713秒、 選手どうしの平均STの開きは 0.0208秒でした。
その日のゆらぎが、選手の差の約3.4倍あります。 つまり「この選手は平均STが速いから、今日も速い」とは言えません。 平均STは、たくさんの走をまとめたときに見える性質であって、 1レースを言い当てるものではありません。
分かっていないこと
- 平均STのうち、どこまでが選手の力でどこからが別のものかは分けていません。 測ったのは「46%が勝率と重なる」「級の中では残る」までです。
- コースによる違いは、このページでは出していません。 外のコースほど助走距離が長く、STの出方が違いますが、 それを分けて測っていません。
- 場・風・モーターの影響は測っていません。
- 100走未満の選手はこの集計から外しています。 母数が少ないと平均が偶然で動くためです。 ここに出ている 1,767人は「100走以上ある選手」だけで、 全選手ではありません。
- 「STのばらつき」については、このページでは扱っていません。 ばらつきのほうは勝率との重なりがさらに大きく(約62%)、 平均STより「強さの言い換え」に近い数字です。 数字の読み方で触れています。
関連するページ
- フライング(F)とは — 早すぎるとF。Fを切った後にSTが遅くなることを実測しています
- 逃げとは — 1コースの決まり手。スタートが遅れると逃げ切りにくくなります(機序は未測定)
- 級別(A1・A2・B1・B2)とは — 級別を固定しても平均STの関係は残ります(4級すべて)
- 決まり手とは — 6種類の一覧と、分母が2種類ある話
- スタート展示とは — 本番前のスタート練習。展示のSTは本番を当てません(0.046)
- 前づけとは — スタート前の進入の話
- 数字の読み方 — 地力と実績・母数の扱い・STのばらつき
- 競艇の用語 — 他の用語
このページは、どの艇を買うべきかは示しません。