フライング(F)とは
フライングは、スタートが早すぎてスタートラインを規定より前に通過してしまうことです。 Fと略されます。 ここではどれくらい起きているかと、 Fを切った選手のスタートがその後どう変わるかを5年分の実測で出します。
これは何か
競艇のスタートは時計式です。 決められた時間内にスタートラインを通過する必要があり、 早すぎるとフライング(F)、遅すぎると出遅れ(L)になります。
Fを切った選手には重い処分がつきます。 出場が停止される期間があり、その節のあとの斡旋にも影響します。 選手にとって、Fは「失敗」ではなく「損失」です。
「F持ち」は、その選手が一定期間内にFの記録を持っている状態を指します。 当サイトでは出走表のF本数をそのまま使っています。
5年分の実測ではどうなっているか
① Fはどれくらい起きているか(分母=全出走)
| 件数 | 全出走に占める割合 | |
|---|---|---|
| 全出走 | 1,663,914走 | — |
| フライング(F) | 6,547件 | 0.393% |
| 出遅れ(L) | 174件 | 0.010% |
1,000回走って4回ほどです。めったに起きません。
② F本数ごとの平均STと1着率(分母=完走した出走)
| F本数 | 走 | 平均ST | 1着率 |
|---|---|---|---|
| 0本 | 1,379,803走 (84.28%) | 0.1611 | 17.26% |
| 1本 | 247,619走 (15.12%) | 0.1751 | 15.27% |
| 2本以上 ★ | 9,798走 (0.60%) | 0.2176 | 10.43% |
①と②は分母が違います。 ①は全出走(失格も含む)、②は完走した出走です。 並べて足したり、大小を比べたりはできません。
★の付いた「2本以上」は 9,798走(0.60%)しかありません。 この行を、他の行と順位で比べないでください。
③ Fを切った前後で、その選手のSTはどう動くか
Fを切った選手について、その日を基準に前後60日の走を集めました。 同じ選手の中での比較です。
| いつの走か | 走 | 平均ST | 95%の幅 |
|---|---|---|---|
| Fの31〜60日前 | 111,351走 | 0.1553 | ±0.00043 |
| Fの1〜30日前 | 120,113走 | 0.1546 | ±0.00041 |
| Fと同じ日 | 4,723走 | 0.1815 | ±0.00234 |
| Fの1〜30日後 | 106,914走 | 0.1832 | ±0.00047 |
| Fの31〜60日後 | 61,689走 | 0.1731 | ±0.00060 |
Fの前は平坦です(0.1553 → 0.1546)。 Fの直後に遅くなり(0.1832)、 そのあとゆっくり戻ります(0.1731)。
これは時間の順序で見ています。 「もともと遅い選手がFを切る」のであれば、Fの前から遅いはずです。 そうなっていません。
集計: race_entries(2021-08-26〜2026-08-25) / F率の分母は全出走。F本数別の平均STと1着率の分母は完走した出走。イベント分析はFを切った選手の前後60日の完走した走。 母数 全出走 1,663,914走・2026-08-26時点。
どう読むか
Fそのものは、めったに起きません。 1,000回走って4回程度です。 ですが、Fを切ったあとの影響は数字に出ています。
Fの前は平坦で、Fのあとに遅くなります。 これは時間の順序で見ているので、 「もともと遅い選手がFを切る」では説明がつきません (もしそうなら、Fの前から遅いはずです)。
ただし、これは「なぜ遅くなるか」を測ったものではありません。 処分を避けようとしている、 斡旋が変わって出走する場が変わった、 整備や機材の巡り合わせが変わった—— 説明はいくつもつきますが、当サイトはどれも確かめていません。 測ったのは「Fの後にSTが遅くなる」という事実だけです。
「萎縮」のような心理の言葉は使いません。 心理は測っていないからです。
分かっていないこと
- なぜFの後にSTが遅くなるのかは測っていません。 上に書いたとおり、説明はいくつもつきますが、確かめてはいません。
-
持ちF 走 全出走に占める割合 1着率 0本 1,403,229走 84.3% 17.0% 1本 251,597走 15.1% 15.1% 2本以上 9,934走 0.6% 10.4% 全出走 1,664,778走のうち、F を切ったのは 6,551件(0.4%)です。 2021-09-08 以降(src/lib/window5y.js)・2026-09-08時点の集計。 持ちF は今の審査期間の本数で、通算ではありません (級別とは? に切れ目の表があります)。
F 2本以上は 9,934走(0.6%)しかありません。 1着率も出していますが、この件数で他と順位を競わせるのは無理があります。 順位として読まないでください。
- F は級別に効きます。審査期間に F を2本以上切ると、 成績に関係なく次の期は B2 になります。 ただし「F があるから級が下がる」ではありません。 級が下がった期に F を持っていた割合と、比べる相手の数は 級別とは? B2 になる3つの道 に母数つきで出しています。
- 以前ここに書いていた「B2級に落ちた選手の1着率 61.8% / 66.8%」は、 2026-09-08 の再集計では再現できませんでした。 母数も向きも合わないため、出所不明として扱い、この節から外しました。 元の文はこのページのソースのコメントに残しています。
- F本数と1着率の関係には、選手の力そのものが混ざっています。 F本数が多い選手の1着率が低いことは測れますが、 それが「Fのせい」なのか「もともとの力」なのかは、この表では分けられません。
- 処分の内容(停止期間など)は当サイトのデータに持っていません。 公式の規定をそのまま説明しているだけです。
関連するページ
- 左隣F持ちとは? — 自分の左隣の艇がF持ちのとき、自分の1着率がどう動くか。 数字はそちらにあります(このページには置いていません)
- 平均STとは — このページで出したSTそのものの説明。選手ごとの開きと、その日のゆらぎ
- 逃げとは — 1コースの決まり手。スタートが遅れると逃げ切りにくくなります(機序は未測定)
- 決まり手とは — 6種類の一覧と、分母が2種類ある話
- 数字の読み方 — 母数が薄いときに何をしているか
- 競艇の用語 — 他の用語
このページは、どの艇を買うべきかは示しません。